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Volunteer’s Report 008 アニマル・ウェルフェア サミット2017に参加してきました

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photo by 半沢 健

クリステル・ヴィ・アンサンブルの活動を支えてくださっているボランティアのお一人である 八巻 千鶴子さんからさんから寄せられたレポートをご紹介します。
 

「アニマル・ウェルフェア・ファースト ~東京に向けて~」

 八巻 千鶴子

去る8月27日、東京大学弥生講堂にて開催された「アニマル・ウェルフェア・ファースト~東京へ向けて~」を聴講してきました。
急きょ開催が決定したプログラムで、小池百合子東京都知事もご来場されるとのこと。
会場の皆さんもどこか落ち着かずにソワソワする中、檀上のテーブルや椅子が、スタッフの方々によって慌ただしくセッティングされました。
ジャケットを羽織った滝川クリステルさんが、インタビュアーとして壇上に現れました。
「こんにちは。滝川クリステルです」
その発声に思わず背筋が伸びました。
いよいよインタビューが始まるという期待で、一気に講堂内が静まりました。
昨年度に引き続きお時間を作って下さったということで、今年はどのようなお話を聞けるのだろうかと、檀上に視線が集中しました。
滝川さんのアナウンスにより、小池都知事が登壇されました。
小池都知事が公約の一つとして「犬猫の殺処分ゼロ」をかかげていたことに触れながら、滝川さんが、ここ一年の成果や反応について質問されました。
都内在住ではないとはいえ、恥ずかしながら小池都知事が公約にあげられていたという事を、私はその時初めて知りました。
そんな方は今までいらっしゃったのだろうか、と疑問に思いつつ小池都知事の発言を待ちました。
「知事選で公約に『ペットの殺処分ゼロ』をかかげたのは、私が初めてだと思いますが……」
そう前置きをされて、小池都知事は滝川さんの質問について答え始めました。
2020年までにペットの殺処分ゼロを目指し、行政として担当局を中心に対応していった結果、犬については昨年度にゼロを達成し、猫に関しては49頭と前年度の約半数まで減らすことができたとのことでした。
行政として目標を掲げて、それに必要な活動を、信念をもって行っていくとし、今後は、この猫の94頭という数を少しでも減らしていきたいと、滝川さんや聴講者の方に向けて力強く仰いました。
東京都として「ペットの殺処分ゼロ」のうちの一つの目標をクリアしたことにより、ペットを飼っていなくても、そういう問題が身近にあるのだと、注目するきっかけとなるのではないかと思いました。
私自身が、最近気にするようになったせいもあるのですが、ここのところ新聞やニュースで保護犬、保護猫にまつわる話や、ペットや補助犬などのニュースが取り上げられる機会が増えてきたように思います。
もしくは、興味を持った問題が提示されたことによって、今まで耳に入ってこなかったニュースが、拾えるように意識が変わったのかもしれません。
ペットを飼っていても、飼っていなくても、人間と動物は同じ世界に生きています。
共に生きるペットたちの問題点にまで関心がおよぶようになったことに、大きな意識の変化を感じさせられました。
 
小池都知事は、東京都にある動物愛護センターは老朽化が進んでいるので、新しい施設として建てたいと仰っています。
そこで里親と保護犬、保護猫との出会いの場を設けたり、子どもたちが動物愛護に関することを学ぶことができたりと、不要な処分をしない施設として、動物愛護の中心地となるような場所にしていきたいと考えているとのことでした。
教育という形で、動物と人間との関係を見直していくということは、とても大切なことだと思いました。
もし、そのような場所が実現して、子どもの頃から動物とふれあい、動物について学べる場が身近にあったとしたら、その子が大人になる頃には、人と共に暮らすことができない動物たちが減るかもしれません。
 
――一つずつお約束したことは、守っていく。
 
そう、滝川さんと聴衆を見つめて言った小池都知事の一言が、とても印象的でした。
まだまだお話を伺いたいと思いましたが、あっという間に終了時間となりました。
お忙しい中、わざわざサミットに参加するお時間を作って下さったことが、動物たちの問題もしっかり考えて下さっていることの表れのような気がします。
行政の助力も得て、アニマル・ウェルフェアに満たされた動物が、少しでも増えていくといいと思いました。