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Volunteer’s Report 006 アニマル・ウェルフェア サミット2017に参加してきました

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photo by 半沢 健

クリステル・ヴィ・アンサンブルの活動を支えてくださっているボランティアのお一人である 八巻 千鶴子さんからさんから寄せられたレポートをご紹介します。
 

「アニマル・ウェルフェア サミット2017に参加してきました」

 八巻 千鶴子

 
「大宮エリーさんのライブペインティング」
去る、8月27日の午後1時より、東京大学弥生講堂アネックスにて、作家、演出家で画家の大宮エリーさんのライブペインティングに参加してきました。
小さいお子さん連れの方をはじめ、参加希望の皆さんが、ぞくぞくと会場の中へと進んでいきました。
会場には、2メートル四方の大きい板張りのキャンバスが用意されており、それを中心に椅子が半円状に置かれ、どんな絵が描かれるのか楽しみにしている方々で、会場は満席となりました。
そして、一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブル代表理事 滝川クリステルさんの進行により、大宮エリーさんによるライブペインティングが始まりました。
ゆったりとしたリズムを刻む音楽が流れる中、大宮さんが数人の小さな子供たちと一緒に、空の青を映し出したような色を塗り始めると、子供たちはローラーを持つのに夢中で、キャンバスがどんどん空色で埋まっていきました。
小さな女の子のリクエストで、「キリン」を描くことに決まりました。
大宮さんはキリンを描いたことがないと言いながらも、時には一人で、時には子供たちの手を借りながら、たくさんの色をキャンバスへとのせていきます。
目の前で、アーティストの方が作品を描いているところを見ることができるなんて、滅多にありません。
たまに滝川さんとのやり取りで参加者を笑わせながら、気付けばローラーで塗られた黄色が、キリンのように見えてきました。
wのコピー
子供たちとキリンの水玉模様を描き、滝川さんがそこに若葉のようなグリーンをのせました。
音楽は相変わらずゆったりとしたリズムを刻んでいるのですが、大宮さんのテンポがぐっとあがりました。
真っ青な空の下にいるように見えたキリンが、どんどん夜の中にいるキリンのように画面がどんどん変わります。
大宮さんのローラーがペースアップしていきます。
ローラーと一緒に上下に揺れる体から、何かがほとばしりだした感じがしました。
ところどころガラス張りの天井を見上げると、そこから空の青と木々の緑がのぞいています。
目の前にはキャンバスがあり、大宮さんの手とローラーによって、どんどん変化していきます。
一瞬、森の中で大宮さんが一人でキャンバスに向かっているような気がしました。
 
「あれ? できた?」
 
そう、大宮さんがつぶやくと、キャンバスには、まるでジャングルの中にたたずんでいるようなキリンがいました。
どこからともなく、歓声があがり拍手がわき起こりました。
周囲を見渡せば、壁際まで立ち見の人でいっぱいでした。
隣で見ていた小さな子供たちも、小さな手で一生懸命拍手をしていました。
ふと、私にはジャングルの中にいるキリンに見えるけど、子供の目にはどう映っているのかと思いました。
自分たちが色をつけたキャンバスに、気付けばキリンが生まれている。
子供たちの心の中で、そのキリンがどのような化学反応を起こすのかと考えるとワクワクします。
そして、ほんの少し羨ましい気もしました。
 
大宮さんの粋な計らいで、完成した絵の前で、会場の皆さんと写真を撮ろうということになりました。
作品完成直後の記念写真。
それこそ、体験できないものです。
カメラに向かって笑顔をつくる皆さんを見て、ライブペインティングで生まれたキリンによって、大宮さんと会場の皆さんがつながったような気がしました。
動物と人間が共に生きる。
大宮さんのキリンの絵を見ていて、滝川さんがはじめに話していたこの言葉が、自然と浮かんできました。
本物の動物を介さなくても、動物を感じることができる。
そして、ほんの少し興味を抱いてくれれば、それはまた動物を知るきっかけとなる。
素敵な瞬間をおさめようと、思わず私もシャッターを切りました。
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