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猫の繫殖力の強さをご存知ですか?⁡

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photo by 半沢 健

突然ですが、猫の繫殖力の強さをご存知ですか?⁡

猫が妊娠してから出産するまでに要する時間は、およそ2ヶ月程度です。⁡
年に2~4回程度出産することができ、一回の出産で生まれる頭数は4~8頭程度と言われています。⁡
親子兄弟の間でも子どもを作るため、放っておくとネズミ算式に増加してしまいます。⁡
一頭のメス猫が、1年後には20頭→2年後には80頭→3年後には2000頭以上にもなると言われています。 ⁡
(出典:環境省「もっと飼いたい?」より)⁡


条件が揃えば、1年中交尾・出産は可能ですが、特に春~梅雨入り前が、出産ピーク時期といわれており、今がまさにその時期です。⁡

   


動物愛護センター等の行政施設 (以下、「行政施設」)において死に至る犬猫の中で、圧倒的に多いのは離乳前の子猫 です。⁡
環境省が発表した令和3年度の全国における犬猫の殺処分数は14,457頭でしたが、8割以上(11,718頭)が猫、そして離乳前の子猫は7,407頭でした。⁡

自治体ごとに差はありますが、行政施設には、例年、離乳前の子猫が多く収容されます。⁡
令和3年度は、全国で合計58,907頭の犬猫が収容されたとの発表がありましたが、6割近く(34,805頭)が猫、そして子猫は23517頭(飼い主からの持込み:2825頭+所有者不明:20692頭)でした。特に所有者不明の猫において、子猫の割合の高さが目立ちます。⁡
※ 子猫(子犬)かどうかを区別していない施設については、成熟個体としてカウントしているため、実際はもっと多い可能性あり。 ⁡⁡



子猫は昼夜を問わず授乳や排世のお世話などが必要となりますが、そのお世話は、慣れていない人には難しいため、飼養管理が非常に困難です。特に人手が無い行政施設では、収容されても残念ながら譲渡に至らない現状があります。 ⁡
収容された離乳前の子猫の命をつなぐ(譲渡につなげる)のは、とても難しいことなのです。⁡


では、どうすれば行政施設 で亡くなってしまう子猫を、ひいては収容される子猫を減らすことができるのでしょうか。⁡
それには、蛇口を締める(入口対策を行う)こと、そして、受け止めるバケツを大きくする(出口対策を行う)こと、両方を行うことが重要と言われています。⁡

入口対策とは、そもそも、子猫の数を増やさないよう、避妊去勢手術 を行うこと⁡
出口対策は、収容された子猫の命をつなぐこと(お世話)ができる人材を増やすこと⁡
です。⁡



この、出口対策で活躍しているのが、”ミルクボランティア”です。⁡
ミルクボランティアとは、哺乳や排泄のお世話等が必要な離乳前の子猫 たちのお世話をするボランティアさんのことです。⁡
離乳前の子猫は特に栄養が必要で、生後2週間までの子猫は、昼夜関係なく2時間おきの授乳が必要になってきます。また、離乳前の子猫は体調を崩しやすい面もあり、付きっ切りでのお世話が必要です。⁡
体温調節等も重要で、非常に繊細であるため、どんなに一生懸命にお世話をしたとしても、命を落とすことも度々あるそうです。そのような意味でも、ミルクボランティアには体力面、そして精神面の強さも必要になってきます。⁡




当財団のフォスターアカデミーでは、ミルクボランティアの“プロ“ 墨田先生にミルクボランティア について全5回にわたって詳しく紹介 していただいています。第1回目の映像は、7月5日までの公開となっております。ミルクボランティアは気軽に行うことがなかなか難しい活動ですが、多くの方に、ミルクボランティアさんの存在やなぜこの活動が必要とされているかを知っていただきたい、そしてすでに活動をされている方には、「なるほど、こういった方法もあるのね!」等ご参考にしていただければと思い制作した動画です。⁡
皆様、ぜひご覧ください。⁡

https://youtu.be/D-Wm3cEyFPg