Volunteer’s Report 002「第7回ヤマザキ動物愛護シンポジウムに参加してきました」
クリステル・ヴィ・アンサンブルの活動を支えてくださっているボランティアさんから寄せられたレポートをご紹介します。第2回も前回に引き続き、 八巻 千鶴子さんからの感想文です。
「第7回ヤマザキ動物愛護シンポジウムに参加してきました」
八巻 千鶴子
7月17日、有楽町朝日ホールにて、「第7回ヤマザキ動物愛護シンポジウム」に参加致しました。
約700名の方が列席する中、ヤマザキ学園の山﨑薫理事長を進行役としてシンポジウムが始まりました。
パネリストの方は4名。
国立科学博物館 館長 林良博氏
環境省 動物愛護管理室 室長 則久雅司氏
歌手・女優・介助犬サポート大使 ジュディ・オング氏
一般財団法人 動物看護師統一認定機構 機構長 佐々木伸雄氏
パネリストの方からは、ご自身とペットとの関係、動物看護師の話、西洋と日本の動物に対する考え方の違いの話や、介助犬の法律とサポート活動についての話など、盛りだくさんの内容でした。
その中で、今回初めて知ったことがありました。
――動物看護師には公的資格試験がない
恥ずかしながら、これにはかなり驚きました。
私が知っている動物病院は、ほんの数件です。
受付の方やスタッフの方は、獣医さんと同じように国家試験を受けて勤務されているものだと、何となく思い込んでいました。
ふと、私が利用したことがある動物病院の中で、受付以外のスタッフの方は何をされていただろう? と考えたのですが、なかなか思い出すことができません。
こちらの記憶に残らないほど、看護師さんの業務範囲が狭いということなのか、単に私の記憶力が悪すぎるのか、現在、獣医さん一人、受付一人の動物病院に通っている私には、判断しかねるところでした。
ひとつはっきりしていることは、動物病院利用者にとっては、獣医さんと同じくらい看護師さんのことも信頼して、自分たちのペットを任せているということです。
看護師さんがどのような資格を持つ人かは、病院利用者からは分かりませんし、何の資格が必要なのかも、今まで深く考えた事はありませんでした。
看護師さんが、人として信頼できるかどうかのほうが大切だったからです。
もしかすると、それは看護師さん達にとっては、強いプレッシャーかもしれません。
けれど、看護師さん自身が「認定動物看護師」だとしたら、自信をもって対応できるのではないでしょうか。
認定動物看護師とは、基準となる一定の教育を受けた方が受験資格を得て、動物看護師認定機構による統一認定試験に合格した方のことだそうです。
看護師さんがその資格を得ることによって、仕事への誇りを持つためのお守りとなるのではないかと感じました。
そして、看護師さんの日々の努力の積み重ねが、動物看護師の公的資格試験制度設立へと、道を開くことになるような気がします。
現在、動物看護師の公的資格制度設立への道のりの入口に立っているのか、道半ばなのか、それとも、もうすぐ出口なのか、私には分かりません。
パネリストの方の指摘によれば、看護師さんの業務範囲、権限、処遇などについても、まだまだ未整備なところがあるとのことでした。
それでも、今この瞬間にも、各病院では沢山の看護師さんが動物のために働いていらっしゃいます。
そんな時、私は思い出します。
犬のオブジェがある建物が、記憶の片隅に残っていました。
松濤に面白いビルが建っているものだと、何故か覚えていました。
あれから数年、このシンポジウムの会場で、それがヤマザキ動物専門学校の建物だと知りました。
当時、このようなシンポジウムに、自分が参加するとは思ってもいませんでした。
個人でできることに限りはあるかもしれません。
でも、ちょっとした縁によって、こういう問題があることを知ることができました。
そして、また別の人へと伝えていけば、小さな波紋もやがては大きなうねりとなる気がします。
人とペットの穏やかな生活のために、人や団体の沢山の垣根を超えて、一日も早く動物看護師の公的資格制度設立が実現することを願っております。