身を切るような冷たい風が吹くこの時期になると、野良猫たちの姿も、あまり見かけなくなります。ただ、冬の弱い日差しでも、ふと街中の陽だまりにたたずむ愛らしい猫の姿に、心和ませる方も多いと思います。
そんな野良猫の耳を見て、「切れてる?」と気づいたことがある方もいるかもしれません。耳カットの形は、自治体や地域によって、違いはありますが、基本的な目的は全く同じで、殺処分される子猫や野良猫を増やさないためです。飼い主のいない猫の避妊手術をして、避妊手術をしていない野良猫との区別するために、耳をカットして目印としているのです。
この活動は、TNRと呼ばれ、野良猫の殺処分を減少させる有効な手段として、世界的に行われています。
◆ TNR :『地域猫活動』のことで、不幸な野良猫を減らす活動の『世界共通語』です。
T: Trap 捕獲
N: Neuter Spay 避妊去勢手術
R: Return 元の場所に戻す
耳カットはかわいそう、と思われるかもしれませんが、マークがないため、捕獲され、再度手術されないようにするための大切な目印になっているのです。
この耳カットされた野良猫を、人と猫が同じ地域で共存する『地域猫』ととらえる考え方があります。野良猫をみんなで飼う、という考え方で、地域のみんなが小さな命のサポーターになってくれることです。TNR後の猫の命を繋ぐため、地域の皆さんが協力体制を形成し、『地域猫』として、飼い猫と同様にエサを与え、排泄物を処理し、それぞれの命を全う出来る環境管理体制を作ることが必要となります。
こうした活動は、全国で、個人、グループ、また団体などを通じて広がりつつあります。たとえば、東京都・千代田区では、行政と一般区民が協力体制を形成し、野良猫の繁殖が減少し、餌やりボランティア活動との連携で、殺処分ゼロを続けています。
残念ながら、TNRについて、まだ正確な情報が伝わっていないのが現状です。
当財団では、今回ご紹介しましたTNR活動を、より正確に、多くの方に知っていただけるイベントを本年度中に開催することを計画しております。
詳細が決まりましたら、HP等を通じてご案内させていただきます。
みなさんもぜひ、街の猫たちのサポーターになってみませんか?