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Project Red~ヘイズを知っていますか?~

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photo by 半沢 健

ヘイズを知っていますか。
 
インドネシアのスマトラ島やカリマンタン島(ボルネオ島)で毎年乾季に起こる、
大規模な森林火災が引き起こす煙害です。大気汚染はシンガポールやマレーシア、タイなどの
近隣諸国にも及び、人々健康や経済に大きな被害をもたらします。
 
日本には煙が届かないためかあまりニュースにならず、
たまに出る記事でも原因について触れられていることはわずかです
。そのため、私たちはなかなかヘイズの本質を知ることができません。
 
ヘイズの原因は「野焼き」という農法です。プランテーション(農園)を拡大するために、
インドネシアでは森に火を放ち、焼き尽くした後を一掃したところに苗を増えます。
毎年乾季になると野焼きによって燃える木々、それに付随しておこる森林火災の煙が東南アジア諸国の空を覆うのです。
 
シンガポールやクアラルンプールのような大都市も煙で視界が遮られ、
学校が休校になったり飛行機が飛ばなかったりすることも日常茶飯事です。
 
ヘイズは10月ごろまで続き雨季にさしかかると収まってくるのですが、
今年はエルニーニョ現象の影響で乾季が長引きコントロールできなくなった森林火災が危機的なまでに燃え広がりました。200万ヘクタールの熱帯雨林が消失し、16億トンもの二酸化炭素を排出したと言われています。
わずか2ヶ月間で四国を上回る面積の熱帯雨林が焼失し、日本の年間排出量を超える二酸化炭素が排出された計算です。
 
ヘイズ被害は当然、現地のオランウータン保護団体が所有する土地にも及びます。ボルネオ島で活動し、代表理事滝川が以前に取材で訪れたBOS(Borneo Orangutan Survival)も、煙に包まれる施設や消火活動の様子をSNSにアップしていました。
 
煙の下ではおびただしい数の野生生物が死んだはずです。
オランウータンやトラ、サイなど絶滅に瀕する大型動物が生息するスマトラ島は75%以上の熱帯雨林が過去30年ですでに失われており、今回の大規模火災が生態系に及ぼす影響は計り知れません。
 
周辺の国々は状況の改善を訴えていますが、インドネシアがプランテーション拡大を止める気配はありません。
プランテーションで栽培するのは主に紙パルプを生産するためのアカシアとパーム油を作るためのアブラヤシ。
日本を含む先進国で大量に輸入し、消費しています。ヘイズは私たちの生活と決して無関係ではありません。
 
個人で考えるには問題はあまりにも大きく、今すぐに私たちが対処できるようなことではないかもしれません。
しかし問題自体を知ることはできます。情報がなければ集め、理解を深めることは誰にでもできます。
 
どんな課題でもまずは知ることが大切であり、知ることで意識が変わり、行動が変わります。
いままで知らなかったヘイズについて知り、責任ある消費者としてできることは何か。それを考えてみませんか。
 
参考ウェブサイト ※いずれも英語です
BBC
What causes South East Asia’s haze?
http://www.bbc.com/news/world-asia-34265922
 
 
Mongabay
ARTICLES BY MONGABAY HAZE BEAT
http://news.mongabay.com/by/mongabay-haze-beat/
Global Forest Watch
 
 
Global Forest Watch

Indonesia’s Fire Outbreaks Producing More Daily Emissions than Entire US Economy

http://www.wri.org/blog/2015/10/indonesia%E2%80%99s-fire-outbreaks-producing-more-daily-emissions-entire-us-economy