2019年11月16日に開催した「フォスターアカデミースペシャル2019」で、当日皆さんに記入いただいたアンケートについて一部をご紹介します。
参加者:380名
回収アンケート:241
→63%の方が記入・提出くださいました!
主なご回答(TOP3)をご紹介します。
・ご所属
個人:165(68%)
動物保護団体:21(8%)
行政・自治体:12(5%)
→動物関連の団体や企業に属していない、個人の方が大半でした。
・何でお知りになりましたか?
滝川クリステルInstagram:86(35%)
知人から:56(23%)
当財団ホームページ:51(21%)
→約4分の1の方が「知人から」というのは、通常のセミナーの倍以上で、お誘い頂きやすい内容だったのかなと思います。
・基調講演「ティアハイム・ベルリン」はご期待に沿っていましたか?
はい:206
いいえ:10
その他、NA:25
→ドイツからの登壇者、アネッタさんのお話に興味を持ってくださった方が多かったようで、85%の方が満足とお答えいただきました。
・セッション1「動物のニーズを満たす」はご期待に沿っていましたか?
はい:202
いいえ:22
その他、NA:17
→こちらの満足度も84%と非常に高く、アニマル・ウェルフェアについて改めて学んでいただく良い機会になったかと思います。
・セッション2「殺処分方法 理想と現実」はご期待に沿っていましたか?
はい:184
いいえ:4
その他、NA:53
→セッション2については未回答の割合が多く(途中退席された方もアンケートを提出くださったようです)満足度は76%となりましたが、記述の感想では多くの方が佐伯先生、田中先生のプレゼンテーションについて言及くださいました。
以下のような感想を多数いただきました。
・このような会には初めて参加しました。お話しいただきました先生方のお話をこの機会に知ることができて、本当にありがとうございました。また今日の先生方がお話になる機会がありましたら別の回にも参加したいと思いました。
・私は動物の環境を空間(建築)という側面から向上できないだろうかと思い研究をしております。どのような空間が動物たちにとって快適なのか、ティアハイムの写真からとても勉強になりました。
・動物福祉の専門家である加隈先生のプレゼントを聴けたのがとてもよかった。いろんな角度から問題を考えたり、これからの方向性を考えたりするきっかけになりました。
・佐伯潤先生、田中亜紀先生のお話すばらしかったです。来てよかったです。このお話を日本のボランティアさん、それを応援・支援されている方たちに聞いてもらいたいです。
・専門家の貴重なお話を目の前で拝聴でき非常に有意義なセミナーでした。素晴らしいセミナーを無料で開催頂きありがとうございます。
・とても有意義な時間で大変勉強になりました。いろんな方にこの分野について知ってもらいたいなと思いました。動物が幸せに暮らせる国になることを願っています。
また、いつもセミナーに参加し、ボランティアレポートを書いてくださっている三浦さんからも後日、感想文が届きましたのでご紹介します。
「フォスターアカデミースペシャル2019に参加したあとで」
八巻 千鶴子
去る11月16日にFASP2019に参加しました。
たくさんの講師の方にお話を伺いましたが、印象に残ったものをお伝えします。
小さい頃は、お医者さんはスーパーマンだと思っていた。
何でも治せるんだと信じていた。
それは、私が風邪くらいしか引かなかったせいもある。
もちろん、今では医療だけではどうにもならないことがあるのはよく分かっている。
それは、人間だけではなく動物も一緒である。
そして、「死」に対する苦しみや迷いは、患者側だけのものではないことを、佐伯先生が語る臨床現場での「安楽死」の話によって知った。
安楽死を決断し実行するまでの順序を、佐伯先生から聞くうちに想像をする。
自分の飼い猫に対して、その選択が必要になったとしたら、私は安楽死を選ぶことができるのだろうか……。
どんなに苦しそうでも、少しでも長く生きて欲しいと願い、治療を続けてしまうのではないだろうかと。
佐伯先生は伴侶動物の状態、飼い主さんの意向、他に適切な治療方法が無い状況など、全て考慮した上で、家族全員の同意を得て安楽死を行うと決断するそうだ。
佐伯先生が、飼い主さんに必ず伝えていることがあるという。
「おそらく私が家族の一員でも、安楽死を選ぶ」ということと、「獣医師である私が、この子(伴侶動物)の命を奪うことが、苦痛から解放する一番の手段だと判断しました」と話し、残された飼い主さんが、安楽死を選択したことで自身を責めないように努めているそうだ。
佐伯先生は、神様でもない自分が命を奪うことが正しいのか……と考え、思い悩むこともあるという。
それでも、安楽死は獣医師にとって、より良い別れをするための1つの選択だと、佐伯先生は語った。
私はその一言を聞いて、動物を飼う者の責任と悩みを一緒に背負ってくれる獣医師がいると感じた。
中には臨床獣医師で、安楽死を引き受けてくれない方もおり、行政獣医師に持ち込まれることも多いという。
臨床獣医師として安楽死から逃げてはいけない、と佐伯先生は考えているそうだ。
辛く苦しむ子(伴侶動物)たちにたいして、飼い主さんが施してあげられない安楽死。
それを行うことを託された獣医師の重い責任と悩み。
安楽死のための薬を注射する際に、自分の子(伴侶動物)を抱いたまま注入することもあるという。
もし、自分の飼い猫の最期に安楽死を選ばざるを得ない状況になったとしたら、私は抱き続けていられるだろうか。
命の火が消える瞬間まで、一緒に戦うことができるのだろうか?
最期まで、その子の恐怖を取り除き、安らかな道へと導く助けとなれるのだろうか?
今はまだ答えは出ない。
でも、その選択を迫られる時がきたら、きっとこの話を思い出すだろうと私は思った。