当財団は、設立時より、認定 NPO 法人ボルネオ保全トラスト・ジャパンさんの活動に賛同し支援を続けてまいりました。
2023年 5月より、新たな試みとして、ボルネオ保全トラスト・ジャパンさんと一緒に「ボルネオ通信 2023」をシリーズで発信してまいります。
このシリーズでは、ボルネオのこと、ボルネオが直面している問題、問題に対するボルネオ保全トラスト・ジャパンさんの活動、そして当財団が行っている支援などなど、幅広く発信予定です。
ボルネオの問題には、知らず知らず私たちも関わっています。
シリーズで発信を続けることによって、多くの方にまずはそのことを知っていただき、支援の輪が広がったら嬉しく思います。
第3回より、熱帯雨林減少の要因の1つである、「アブラヤシ農園の開発/パーム油」をテーマに、パーム油とは何か、私たちの身近にあるパーム油について、そしてパーム油の生産(農園の開発)の問題と持続可能なパーム油の生産・利用について、計 3 回に分けてご紹介いたします。
パーム油は、ずばり、アブラヤシという植物の実を収穫し、蒸して絞ると採れる油のことです。アブラヤシは西アフリカ原産の植物ですが、観賞用として 東南アジアにも入ってきました。
20 世紀に入ると、アブラヤシから採れるパーム油の価値に人々が気づいたことから、インドネシアのスマトラ島や半島側マレーシア、ボルネオ島などで、大規模農園(プランテーション)が作られ、採油が始まりました。
パーム油の価値、 それは面積あたりの収量が他の植物油に比べて多いこと、そして食用、非食品用、加工食品用と様々な用途に使用できることです。
アブラヤシは、種の状態から苗を育て、実を収穫できるようになるまでに数年かかりますが、収穫ができるようになってからは、植え替えの必要もなく 20年以上収穫期間が続くため、非常に効率の良い農作物であると言えます。
1年に何度も大きな実をつけるためパーム油は他の植物油と比べて面積あたりの収量が 8〜10 倍と圧倒的に多く、現在世界で最も生産されている植物油です。生産量が多いため、世界中に安価で供給されます。
またアブラヤシは、温暖多雨の気候でしか成長しないため、赤道直下、南北緯度 10度あたりの範囲が栽培適地とされています。つまり、大規模なアブラヤシのプランテーションを作る上で、 広く平らな土地である熱帯雨林は 最適な場所とされ、開発が進められてきました。
出典:https://www.bctj.jp/3minutes-palmoil/
次回は、「アブラヤシ農園の開発/パーム油」の中編として実は私たちの生活の身近にあるパーム油について 発信いたします。