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釧路湿原におけるメガソーラーの建設について

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photo by 半沢 健

国の特別天然記念物であるタンチョウの世界最大の繁殖地であり、天然記念物のオジロワシを始めとする数多くの貴重な動植物が生息する北海道釧路市の釧路湿原周辺の市街化調整区域では、近年、無秩序な太陽光発電施設の建設が相次ぎ、希少な動植物の生息環境が深刻なリスクに晒されています。なかでも環境省釧路湿原野生生物保護センターから僅か300mほどの場所の周辺は、タンチョウのペアの繁殖・行動圏であることが確認されているなど、希少な動植物の宝庫であるにもかかわらず、行政機関や地域の専門家との十分な協議が行われないまま、建設工事が進められていることが、当財団アドバイザーでもある猛禽類医学研究所の齊藤先生からも報告されています。
(詳細は「こちら」を参照ください)

私たちは、「共に、生きる。」という理念のもと、地球の未来を考えるにおいて、地球温暖化対策(再生可能エネルギーの普及促進)と、地域の自然環境との、“調和”が必要であること、そして、それにはゾーニングおよび環境アセスメントの義務付けが重要と考えています。
そのため、「再生可能エネルギーの普及促進」の名の下に、自然環境との調和がなされないまま進められている太陽光発電施設の設置工事は直ちに中止すべしとの齊藤先生の意見に強く賛同します。加えて行政側への対応として、来年5年ぶりの改定時期を迎える「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(種の保存法)に、新たに「生息地の保全」の考え方が盛り込まれることで法的な拘束力を持たせるための規制強化を目指す、齊藤先生と協力してまいります。

【参考】
全国で懸念広がる「メガソーラー開発」…釧路湿原で天然記念物“ワシ”の生育に「影響あり」それでも規制“後手” 専門家が求める法整備の“中身”とは(弁護士JPニュース)
https://www.ben54.jp/news/2441

猛禽類医学研究所さん等が署名発信者となっている署名活動
北海道釧路市・釧路湿原南部におけるメガソーラーの駆け込み建設中止を求めます!
https://www.change.org/savekushiro