クリステル・ヴィ・アンサンブルがサポートしているNPO法人ボルネオ保全トラスト・ジャパンが
毎年発行している「パーム油白書」の2017年版が完成しました!
パーム油白書2017表紙
ボルネオ保全トラスト・ジャパンのパーム油白書購入ページからお買い求めいただけます。
ただ、いまこれを読まれている皆さんは
「パーム油ってなんのこと?」と思われているかもしれません。
そこで今回から数回にわたり、
ボルネオ保全トラスト・ジャパンの青木事務局長から、
パーム油について解説いただき、
私たちの身近に使われている「パーム油」と「生物多様性」の関係に迫っていきたいと思います。
<パーム油とは?>
パーム油は身の回りのたくさんの食品や製品に使われています。朝のコーヒーに入れたコーヒーフレッシュ、お昼にコンビニで買った弁当の揚げ物、おやつに食べたチョコレートやポテトチップス。食器を洗う洗剤にも、お風呂で使うシャンプーにも、パーム油は含まれています。あまりに身近すぎて、私たちは普段パーム油をどれだけ使っているのかも気にしていません。
そもそも、パーム油を使用した加工食品の食品表示には「植物油脂」とだけ表記すれば法律的には問題ありませんし、パーム油で料理する文化も無い日本ではパーム油の存在を知ることも難しい。でも、だから知らなくてよい、ということではありません。
パーム油の需要は世界的に高まっていて、生産量は年々増加しています。しかしその裏では、地球上でそこにしかない熱帯雨林が破壊的なスピードで伐採され続け、パーム油を生産するためのアブラヤシのプランテーションに変えられているのです。
特に2大生産国のマレーシアとインドネシアでは、世界でも稀に見る生物多様性の宝庫と言われる熱帯雨林がパーム油生産の犠牲になっています。
途上国のマレーシアとインドネシアにとってパーム油は外貨を稼ぐための重要な農産物であり、国の経済の一端を担う商品です。環境破壊を憂う先進国の人々が「環境を守るために、パーム油の生産をストップさせよう」と訴えることは何の解決にも結びつきません。
地球全体の生物の50%以上が暮らしているという熱帯雨林を抜きにして、生物多様性を語ることはできません。そしてパーム油のことを知らずに生物多様性の保全を語ることもできません。
次回も引き続き、皆さんの身近に使われているパーム油についてついて解説する予定です。
NPO法人ボルネオ保全トラスト・ジャパン
青木 崇史
※なお、文中の意見にわたる部分は筆者の私見であることをあらかじめお断りしておきます。
→ボルネオ通信第二弾「パーム油の特徴」
→ボルネオ通信第三弾「アブラヤシの果実がパーム油になるまで」
→ボルネオ通信第四弾「パーム油と私たちの生活」
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